あきたアーバンマイン開発アカデミー フィールド研修

2011年10月21日にあきたアーバンマイン開発アカデミー(材料リサイクルコース)のフィールド研修が行われました。

【実施目的】廃棄物リサイクルについて
(1)リサイクルシステムと理念 (2)物量 (3)材料化の処理状況 (4)処理プロセス及びおおよそのコスト (5)課題(問題点)を理解する。
【参加者】25名


受講生の感想

株式会社サユウでは、自動車の解体やリユースについて知ることができた。中古自動車のリユースはよく聞くが、自動車の部品もリユースしていることを知り、機会があれば使ってみたいなと思った。自動車を解体するには、ガソリンやフロンガス、基板などを取り除いた後に、エアバックを破裂させてから、まだ使える部品などを取り除いて、機械でプレスしており、手間がかかるのだなと思った。また、機械でプレスすることで凄い圧縮されていて驚いた。

回収コストなどの課題が今も残る廃油からのバイオディーゼル燃料製造や、株式会社サユウの中古車部品の保証制度の確立のように、他のリサイクルでもまだまだ改良の余地がある部分が多く存在しているのではないかと感じた。

株式会社サユウは、自動車リサイクル業であった。わざわざアーバン受講生のためにデモンストレーションまでしていただいて嬉しい限りであった。事業展開として成功している点として、社長の人柄によるものであろうが、人的ネットワークの構築及び中古・リサイクル業の深くかかわるところでの品質管理に、「自動車リユース部品の品質・保証基準の共通化」というビジネスモデルを確立できたことであると考えた。このことは事業を広汎かつ拡大させるのに必要不可欠な点である。中古本の「BOOK・OFF」をみても明らかである。

今回一番環境にやさしくないと思われる自動車を扱っている株式会社サユウのパンフレットには、「自然に還る車などこの世に1台も存在しない」とある。その自動車においてリサイクル率95%はすばらしいと思った。他の分野との連携により限りなく100%に近づけることができるのではないだろうか。


受講生のレポート(1)

自動車リサイクルについて今回見させて頂いた例では、中古部品としてのリユースがクローズアップされていたが、ここで見られたような販売ネットワークは非常に良い例だと思われた。ストックできる部品の量や保証に絡む様々な統一基準などのため使えるものすべてが回収できるわけではないようだったが、そういった部分をより効率的にできる可能性はあるのではないだろうか。

自動車のガラスや触媒などリサイクルできないものや大量に集まらないと価値がないものについてはまだリサイクルそのものに課題があり、触媒金属の回収技術は特定の箇所にしかなく、回収費用とリサイクル費用が収入を上回るようなことも懸念される。こういった部分にも技術開発や収集システムの開発、あるいは回収後の販売システムの形成が必要かと思われる。

受講生のレポート(2)

横手市の株式会社サユウ及びシステムオートパーツグループによる廃車の引取り、比較的状態の良いパーツの再利用、フロンガスの回収、エアバックの解体及び車体の破砕(プレスあるいは裁断)と再利用は、リサイクル率が約95%とのことで、自動車リサイクルとしてほぼ完璧のように感じられたが、工場内に保管されていた再利用可能な回収パーツの数量をみると、再利用を奨励するような制度の確立が求められる。工場での説明では回収パーツの利用は限定されているとのことなので、例えばリサイクル減税あるいはリサイクルポイントの付与のような制度、もしくは希望者が格安で購入できるリサイクルパーツを使ったリサイクルカー登録制度を設け、自動車所有者及び整備工場が積極的に回収パーツを利用したくなる環境を整えてみたらどうであろうか。

受講生のレポート(3)

自動車リサイクル法は、廃車の処理コストの高騰や逆有償化による不法投棄、不適切処理の防止を目的として2002年7月に制定された。使用済み自動車は解体業者によってエンジンやタイヤ、バッテリーが取り外された後、シュレッダー業者によって処理され鉄やその他の有価な金属が取り出される。自動車のリサイクル率は法施行前の2000年の時点で、他の廃棄物に比べ80%以上であったが、残りの20%に相当するシュレッダーダストの発生が年間70万トンに及び、最終処分場の容量を圧迫していた。シュレッダーダストの発生率を低減するためには、自動車メーカーにはリサイクル技術の開発やリサイクルを前提とした製品の設計が求められる。例えば、リサイクル技術の開発では今回「株式会社サユウ」の見学で拝見したエアバックを車上作動させる装置(自動的かつ安全にエアバックを展開する事が可能)や、製品設計では解体しやすい構造、単一のプラスチック素材の採用等がそれにあたる。トヨタ自動車はこの様な取り組みを行った結果、リサイクル率93%(2005年度の実績)を達成している。自動車のリサイクルのシステムは不法投棄を防止する目的で組み立てられたものであるが、解体業者による適切な回収分別等を義務付けることにより円滑に運用されている。この様なシステムの開発、維持には大きなコスト負担が必要となる。対象が自動車という単一の製品である事と、主導する自動車メーカーが経済的に大規模であり、かつ、メーカーの数が少数に限られており、まとまりがあった事が順調に運用できた理由と思われる。このシステムを他の製品・材料に横展開する為には、同様の製品を生産するメーカー、その川上川下の産業間の情報交換(例えば、規格・製品設計の統一化、市場におけるリサイクル部品の価格、量、リサイクルに要するコストの共有化等)の協力が必要不可欠であると考える。

受講生のレポート(4)

自動車リサイクルの今後の展開としては、リユースと金属リサイクルが中心になると考えられる。特にコスト面での問題や最終廃棄物の問題からリサイクルよりもリユースが中心になっていくと思われる。また、一般社団法人日本自動車リサイクル部品協議会にて、近年リユース品の保証制度が確立した。これにより、リユース品につきまとう不良品だったらどうしようという消費者の不安が解消され、今後自動車部品のリユース使用量が増えていくと考えられる。一方、自動車の金属リサイクルは非鉄金属が中心になると考えられるが、非鉄金属の含有量や破砕、精錬コストなどを考えると少し厳しい部分がある。よって、自動車の金属リサイクルはコスト面での課題をどう解決するかが今後の発展に左右すると考えられる。

その他の材料リサイクルについてもコストや品質などの問題から、基本はリユースが中心になっていくと考えられる。だが、ただリユースするだけではなく、消費者意識なども考慮し、リユース品の品質を証明もしくは保証する制度などを配備し、リユース品を如何に魅力的に見せるかが今後の発展の大きなカギになると考えられる。また、材料リサイクルでは同じ製品を多く集めるか、他製品を配合して、リサイクル品の品質を一艇にする必要があり、そのための技術力やアイデアが必要だと思われる。以上のことから、材料リサイクルではリユースが基本となっていき、リサイクルするためにはリサイクル品の品質を統一するだけの技術が必要になると考えられる。